職場で【妊活中】の人を見守った側の話

以前職場で体外受精へ踏み切った人がいました。
その人は不妊治療の病院へより通いやすくするために時短勤務となりました。
今回は、妊活を少しかじって離婚したわたしが、妊活中の人を見守って考えたことについて書いていきます。

通常ブログで目にするのは、「妊活をしている側」のものが多いと思うので、実際にそれを「見ている側」のブログがあってもいいかもしれないと思った次第です。

わたしも妊活を経験しました

結婚生活の4年間のうち、後半の2年間は妊活をしてました。
自力で妊活を始めて1年経たないとき、不妊治療をやっている婦人科を受診しました。タイミング療法をやってみてそれでもダメなら、体内受精から体外受精へとステップアップしていこうという話で落ち着きました。

当時は子どもがすごく欲しかったので、なかなか妊娠できないもどかしさで、街で小さい子どもを見るのがすごく辛かったです。その不妊治療をしている婦人科は、もちろん通常の婦人科でもあるので、妊婦さんや子どももわんさか受診していました。待合室も一緒だったので、見ていると涙が出てくるんです。結構、病んでました。当時は、周りに結婚している友だちさえおらず、結構自分で抱え込んでいました。

そして、残念ながらタイミング療法の途中で夫婦仲が悪化し、離婚へ至りました。よって、不妊治療は終了となりました。わたしは、もともと子ども大好き!っていうタイプではないので、離婚した後は子どもが欲しいっていう思いは無くなり気味です。

職場で妊活を宣言した人

彼女は、もともと正社員でしたが時短勤務に切り替えて、不妊治療の病院へ通いやすくできるよう上司と相談していました。

「妊活してます!」って周りにいうのって、勇気がいります。下手すれば他の人は、自分のことを「妊娠できない可哀想な人」として扱ってくるじゃないかって疑心暗鬼になります。何も悪いことしていないのに。

だから、職場にそれを言うってことは、それだけの覚悟で臨んでいるんだと思いました。本当に、自分の人生と向き合って夫婦で話し合って、優先順位を決めたんだろうなと。わたしはこういう決断ができない傾向にあるので、尊敬しました。

わたしも過去に妊活していたことがあることを、その人に伝えました。わたしの場合、特に妊活に成功して子どもがいるわけでもないので、その人に何かアドバイスできるわけではないです。でも、妊活をやった経験がない人に比べれば、少しは話しやすいかもしれないなと思ったからです。

理解しているって思っていたけど

そして、いざ彼女の時短勤務が始まりました。あんなに理解している感を出していたわたしですが、最初の頃、正直言って「不公平だな」って思ったんです。

わたしは、妊活を経験しているわけですよ。子どもが欲しいって気持ちも体験したことあるんですよ。なのに、いざ自分のシフトを変更したり、代わりに残業したりすると、イライラしていたんです。なんて心の狭い人間なんだって思いました。

妊活ならまだある程度、スケジューリングが分かりやすいと思うのですが、これがもし子育て中の人のフォローだったら、子ども体調不良とかもあるのでもっと不規則なんだろうなって思ったりもしました。

困ったときの、アドラー心理学

わたしはこういう時、アドラー心理学の本を引っ張りだしてきます。以前、そういうときに効きそうなことばが書いてあったことを覚えていたので。

人生を変える勇気 – 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)の中で、産休・育休・時短の後輩を許せないという相談が載っていました。
相談者は結婚はされていますが子どもがいません。そして、自分の職場では後輩が産休・育休・時短勤務で自身の業務量が増えて大変なのに、手当もつかず、子持ちばかりが優遇されるなんて不公平で許せないと書かれていました。

これに対する著者である岸見一郎さんの答えは、次のようなものでした。

出産に限らず、誰でも病気、怪我、親の介護などのために、仕事を休むありえるということです。(中略)働ける時は働くのだと職場の皆が思って働いていれば、いざ休職しなければならなくなった時に、休職を申し出ることに遠慮する必要がなくなります。
不公平だと思わず、休んでいる人の分まで働くことで職場の仲間に貢献していると思ってほしいです。

読んでた当初は、さらりと読み流していただけですが、いざ自分が当事者になってみると、わかっていても理解する境地には至れないものなんだなと思いました。

それからは、そのことばを胸に抱き、少しずつ自分がその状況に慣れていくことにしました。一朝一夕で仏のような心にはなれませんが、自分は今「働ける時」だから働こう、と思うようになってきました。

と、ここで事件が起こりました。なんとわたし自身が体調を崩して時短勤務をすることになってしまったのです。

まさに、本に出てきた「働けない時」が訪れました。すると、もう自分も休ませてもらえているんだから、お互いさまっていう思いが俄然強くなり、彼女のことはまったく気にならなくなりました。

「不公平オーラ」を出さないために

妊活や介護、そして子育てしながら働く人の周りには、理解ある人もたくさんいるとは思いますが、当初のわたしのように、「自分ばっかり仕事して不公平だ」って思っている人も少なからずいるように思います。そういう周りの「不公平オーラ」が、そういう人たちを苦しめるのかなと思いました。

そんな中で、最近読んだ本で参考にしたい考え方があったのでご紹介します。

一見すると「不公平」問題とは何も関係もなさそうに見える本のタイトルですよね。しかし、この本は、わたしの中で2018年ナンバーワンの当たり書籍でした。そのくらいこの著者の考え方は、自分の中での常識を打ち消してくれました。

このなるべく働きたくない人のためのお金の話の著者である大原扁理さんは、25歳から東京で週休5日の隠居生活を始め、年収100万円以下で6年暮らした経験などを執筆されているんですが、「みんながみんな週5日勤務しなくてもいいんじゃないか」って提案されています。

働きたくなければ、独身だって時短勤務にすればいい

極端なこと言えば、金銭的にOKであれば独身の人だって時短勤務にしてもいいと思うんです。
わたしは結果的に体調崩して時短勤務となりましたが、本当は働くことがもともとそんなに好きじゃないのかもしれないな、と最近思い至りました。
だから、周りに働けない人が出てくると「不公平だ」って文句言うんじゃないかと。自分も同じ時短という立場になったら、なんとも思わなくなったなんてそうとしか考えられません。

つまりなにが言いたいかというと、自分の働き方を自主的に選択していれば、他人の働き方(子育て中の時短勤務など)に不公平感を抱いたり、文句言う人も出てこないんじゃないかっていうことです。

なかなか、独身の人が理由もなしに時短勤務にしたいですって言いだしにくいとは思います。
そもそもウチの会社、子育て中の人しか時短勤務認められてないよっていう人は、我慢できるならそのまま働けばいいし、どうしても不公平感を抱いてしまうのであれば精神衛生上よくないので、時短勤務が認められる会社や職種に転職するのもアリだと思います。そこは自分との相談でいいのではないでしょうか。

そして、色々算段しても今の働き方でいいと納得できたら、他人の時短勤務は気にならなくなり、「不公平オーラ」も出ることはなくなるんじゃないかなと思いました。

妊活を頑張っている方へ

とても辛い思いをされたりすることもあるでしょうし、なかなか夫婦間以外で話せる人は限られます。(夫婦間でも意識の違いに、苛立ちもあるかもしれません。)

子どものいないわたしには、偉そうなことはなにも言えません。しかし、夫婦でうまく話し合うって進んでいくことができたなら、たとえ結果が望むものでなかったとしても、より夫婦の信頼関係が強まるのではないかなと、少しだけ羨望の眼差しで見守っています。
どうか願いが叶いますように。